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今月の健康コラム

「脂質異常症(高脂血症)」

2017年5月22日

コレステロールは人の体に存在する脂質のひとつ。このコレステロール値が高かったり中性脂肪が基準値を超えている場合は、脂質異常症の可能性があります。放っておくと、知らない間に深刻な病気にかかっているかもしれません。今月は、脂質異常症の定義と引き起される疾患について述べます。

脂質異常症とは

血液の中には、コレステロールやトリグリセライド(中性脂肪)、リン脂質、遊離脂肪酸といった脂質が含まれています。通常、脂質は肝臓でつくられたり食事からとりこまれたりして、血液中に一定の量が保たれるように調整されています。しかし、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)とトリグリセライド(中性脂肪)が通常値より多くなりすぎたり、HDLコレステロール(善玉コレステロール)が少なすぎたりすることで、体の脂質の流れをうまく調節できなくなり血中の脂肪分の濃度(血清脂質値)が高くなります。この状態を「脂質異常症」といい、かつては「高脂血症」と言われていました。現在では、HDLコレステロールは高いことが望ましいとされているため「脂質異常症」と呼び方が変わりました。
脂質異常症が続くと、気づかないうちに全身の血管が傷めつけられ、その影響は動脈硬化となって現れます。さらに動脈硬化が進むと心臓や脳への血流が悪化し、狭心症や心筋梗塞、脳梗塞などの深刻な病気を引き起こす可能性があります。

脂質異常症の種類

原因によって2つに分けられます

原発性高脂血症
1) 特発性で発症する脂質異常症。
肥満、食べ過ぎ、更年期などにより発症するもの
2) 遺伝によって発症する脂質異常症。
はっきりした遺伝子で起こるものや、まだ遺伝子が同定されていないものもあります。
「家族性高コレステロール血症」は遺伝が強く関係しており生活習慣とほとんど関係なく起こります
二次性(続発性)高脂血症 他の病気や薬が原因となって起こるタイプの脂質異常症。
原因となっている病気を治療したり薬を変えたり、薬の使用を中止したりすることで改善できます
原因となる病気…甲状腺機能低下症、肝臓病、腎臓病、糖尿病など
原因となる薬…ステロイドホルモン剤、利尿薬、避妊薬など

脂質の種類によって3つに分けられます

高LDLコレステロール血症 LDLコレステロール(悪玉コレステロール)が高いタイプの脂質異常症
低HDLコレステロール血症 HDLコレステロール(善玉コレステロール)が低いタイプの脂質異常症
高トリグリセライド血症 トリグリセライド(中性脂肪)が高いタイプの脂質異常症

血清脂質値の具体的な異常数値

LDLコレステロール
(悪玉コレステロール)
基準値
140mg/dL未満
140mg/dL以上の場合
80mg/dL未満の人に比べ、心筋梗塞などの病気が起こる確率が2.8倍に上ります。
トリグリセライド
(中性脂肪)
基準値
150mg/dL未満
165mg/dL以上の場合
84mg/dL未満に比べて、心筋梗塞などの病気が起こる確率が2.9倍に上ります。
HDLコレステロール
(善玉コレステロール)
基準値
40mg/dL以上
40mg/dL未満の場合
血管にコレステロールがたまり動脈硬化が進みやすくなります。

動脈硬化の診断

動脈硬化の診断は血管年齢の測定や頸動脈エコーで診断することが多く、特に頸動脈は体の中で一番浅い所にあり、エコーでコレステロール、高血圧、糖尿、加齢、喫煙などでできるプラークと呼ばれる病変で評価します。
動脈硬化は、一般的には急速に進行するものではありませんので、半年から1年に一回が妥当な頻度と思われます。
ただし、血栓ならびに表面不整や潰瘍を形成した、あるいは可動性プラークを観察した場合は、もっと短期間の再検査が必要となります。

脂質異常症の治療は、動脈硬化を予防するために行います。
血清脂質値の基準値は、薬による治療を始める基準ではありません。
薬を飲む必要性があるかどうかは、脂質の値のほかに、他の病気があるかどうかなどを考え合わせて決められます。

6月は、脂質異常症の予防法・治療法について詳しくご紹介していきます。

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