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今月の健康コラム

意外に恐ろしい「睡眠時無呼吸症候群」

2012年5月1日

2003年の山陽新幹線の運転士の居眠り運転事故をきっかけに、世間に広く知れわたることとなった「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」。しかし、潜在患者数が300万人ともいわれるほど多い疾患の割に、実態は意外なほど知られていません。一体どのような病気なのでしょうか?

睡眠時無呼吸症候群とは?

睡眠時無呼吸症候群とは、睡眠中に10秒以上呼吸が止まる無呼吸発作や、呼吸が弱くなって血液中の酸素の量が減ってしまう低呼吸発作により、日中の眠気などの症状を起こすことをいいます。睡眠1時間当たりの無呼吸発作と低呼吸発作を合わせた回数により、どの程度具合が悪いのか判定します。

SASの病型には、舌根の緊張がゆるんで空気の通り道を塞いでしまう「閉塞型」、呼吸中枢から息をしろという命令が出ずに呼吸が止まってしまう「中枢型」および両者が混在する「混合型」の3つのタイプがあります。実際は大多数が閉塞型です。

主な症状は?

呼吸が止まるのは首を絞められるようなものですから、症状が出ると、睡眠が浅くなったり目が覚めたりします。十分な睡眠が取れないため昼間でもたえず眠く、ときには本人が意識しないうちに眠りに落ちることもあります。
そのため、居眠り運転で事故を起こして初めて、この病気の存在に気づくという場合も多いのです。そのほか、無呼吸・低呼吸になっているときは空気の通り道が狭くなるため、いびきをかきやすくなります。家族に「いびきをかきやすくなった」と言われたら要注意かもしれません。

治療と対策のためには

肥満の人は、そうでない人に比べて3倍睡眠時無呼吸症候群になりやすいことが分かっています。気になる方は、まず日ごろの減量を心掛けましょう。軽症のうちであれば、減量するだけで正常にもどるケースも少なくありません。また、重症の方でなければ、マウスピースによって下あごの顎骨を前に出すことが有効な例もあります。
重症の場合、マスクをして強制的に肺に空気を送り込む「CPAP」という治療が行われます。生まれつき下あごの小さい方は形成手術も検討されます。

8年間の追跡調査で、重症の睡眠時無呼吸症候群を無治療せず放置した場合、3分の1の方が亡くなるという報告があります。日本の推定患者数300万人のうち、現在治療されているのはわずか20万人に過ぎません。最近では自宅で手軽に検査ができるようになりました。ご本人、ご家族に睡眠時無呼吸症候群が疑われるようなら、まずは呼吸器科か耳鼻科に相談して、早めに検査をされることをおすすめします。

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