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今月の健康コラム

魚介類の寄生虫による食中毒「アニサキス症」

2017年8月1日

近年、注目されている食中毒「アニサキス症」。アニサキスは、サバやアジなどの魚介類に寄生する寄生虫で、生で魚介類を食べることで、寄生虫が体内に入ってしまい、食中毒を引き起こします。ほとんど症状がない場合もありますが、数時間後に激しい腹痛や吐き気に襲われ、腸閉塞を引き起こすことも。魚介類を食べる前に適切な処理を行い、食中毒を未然に防ぎましょう。

寄生虫「アニサキス」とは

アニサキスは寄生虫の一種です。その幼虫は長さ2~3cm、幅0.5~1mmほどの白い糸のような形をしています。サバやイワシ、カツオ、サケ、イカ、サンマ、アジなどの魚介類の内臓に寄生しており、魚介類が死亡すると内臓から筋肉に移動します。アニサキス幼虫が寄生している魚を生や生に近い状態で食べると、アニサキス幼虫が胃壁や腸壁に穿入することで食中毒を引き起こします。アニサキス幼虫は胃液によって死滅するため、生存期間は長くても4日ほどですが、「アニサキス症」が重症化すると、腸閉塞を引き起こすこともあります。アニサキスによる食中毒が疑われる場合は、速やかに医療機関を受診するようにしましょう。

アニサキス症の症状

「アニサキス症」は、症状の程度により劇症型と緩和型があり、主に胃アニサキス症と腸アニサキス症に分けられます。緩和型の場合は、自覚症状もない場合が多いのに対し、劇症型アニサキス症は激しい腹痛や、差し込むような痛みが起こり、吐き気や嘔吐を伴うことがあります。

胃アニサキス症 食後数時間から数十時間後に、みぞおちが激しく痛み、胸のむかつきや嘔吐を伴います。ほとんどの場合が急性です。
腸アニサキス症 食後十数時間から数日後に、激しい下腹部痛と腹膜炎症状(嘔吐、発熱、頻脈など)が現れます。腸閉塞や腸穿孔を併発する場合があります。胃アニサキス症と同じく、ほとんどの場合が急性です。
消化管外アニサキス症 アニサキス幼虫が消化管を穿通して腹腔内へ脱出した後、大網、腸間膜、腹壁皮下などに移行し、肉芽腫を形成することもあります。症状は、アニサキス幼虫が寄生した部位ごとに異なります。
アニサキスアレルギー 魚介類を食べたあとに蕁麻疹などのアレルギー症状が現れます。血圧降下や呼吸不全、意識消失などのアナフィラキシー症状が現れる場合もあります。

治療と予防法

いまのところ、アニサキスに対して効果的な治療薬はありません。したがって、アニサキスの治療法は、胃アニサキス症が発症した場合、胃内視鏡検査時に胃粘膜に穿入するアニサキス幼虫を見つけ鉗子と呼ばれるピンセットのようなもので虫体摘出を行います。
また、腸アニサキス症では、アニサキスが死滅し症状の緩和を待つ対症療法を行い、腸閉塞を起こした場合には外科的処置を行います。

アニサキス症の予防に最も有効なのは、海産魚介類の生食を避けること、冷凍処理または加熱調理を行うことです。アニサキス幼虫は魚介類の内臓に多く寄生しています。常温で魚介類を放置するとアニサキス幼虫が筋肉へ移行しやすくなるため、新鮮なものを選び速やかに内臓を取り除き冷蔵庫などで保存しましょう。また、目視で確認しアニサキス幼虫を除去するようにしてください。
アニサキス症の原因魚種として最も多いのがサバですが、シメサバなど一般的な料理で使う程度のお酢、わさびや醤油では死滅しません。食べる際には、中心部まで十分加熱するか、生で食べる場合は完全に凍結(マイナス20℃で24時間以上)させることが重要です。

日本国内で発症するアニサキス症は年間500~1,000例あるといわれています。魚介類を食べて激しい痛みがある場合は、速やかに医療機関を受診しましょう。

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