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今月の健康コラム

重症なアレルギー反応「アナフィラキシー」

2017年9月19日

アレルギー反応が短い時間のうちに全身にあらわれるアナフィラキシー。血圧の低下や意識障害などを引き起こし、場合によっては生命を脅かす危険な状態になることもあります。平成29年5月に発見された毒を持つ外来昆虫「ヒアリ」に刺された場合にも、アナフィラキシー症状を引き起こす可能性があると厚生労働省より発表されています。症状があらわれた場合には、医療機関で正しい診断を受けましょう。

アナフィラキシーとは

アナフィラキシーは、発症後、極めて短い時間のうちに全身性にアレルギー症状が出る反応のことをいいます。食物アレルギーで起こる症状の中でもっとも重症なものがアナフィラキシーです。症状はさまざまですが、もっとも多いのは、じんましん、皮膚の赤み、かゆみなどの皮膚に起こる症状。さらにくしゃみ、せき、息苦しさなどの呼吸器の症状と、目のかゆみやむくみ、くちびるの腫れなどの粘膜症状があらわれることが多く、腹痛や嘔吐などの消化器の症状、血圧低下などの循環器の症状もみられます。これらの症状が複数の臓器にわたり、全身性に急速に起こります。特に急激な血圧の低下で意識を失うなどのショック症状がみられるアナフィラキシーショックが起こる場合もありとても危険です。
アナフィラキシーの症状が疑われる場合は、速やかに医療機関を受診するようにしましょう。

アナフィラキシーが疑われる症状の組み合せ

次の症状の組み合せのなかで、いずれかに当てはまる場合はアナフィラキシーの可能性が高いとされます。

(1) 数分~数時間のうち、皮膚や粘膜に症状が起こり、さらに呼吸器系の症状または血圧の低下など、1つ以上の症状が現れた場合

(2) 抗原と疑われるものに触れたり、飲食をした数分~数時間後に皮膚や粘膜の症状が起こり、さらに呼吸器系の症状、血圧の低下、消化器系の症状のうち2つ以上が突然あらわれた場合

(3) すでに抗原とわかっているものに触れたり、飲食をした数分~数時間後、血圧の低下がみられた場合

皮膚症状 じんましん、皮膚の赤み、かゆみ
粘膜症状 目のかゆみ、まぶたの腫れ、くちびるの腫れ
呼吸器の症状 くしゃみ、せき、息苦しさ、呼吸音の乱れ
消化器系の症状 強い腹痛、嘔吐

アナフィラキシーの原因

原因としては、即時型アレルギーを起こす食物を食べたことによってアナフィラキシーを起こすことがあります。原因となる食物は、ピーナッツやそばなどがありますが、鶏や卵が原因となることがもっとも多く、全体の約3分の1を占めています。一方でピーナッツやそばは即時型アレルギーを起こす割合は少ないですが、鶏や卵などと比べるとより重症なアナフィラキシーを起こす人が多いと考えられています。食物以外に、蜂、天然ゴム、薬のアレルギーや運動などが原因となることもあります。特に運動が原因となる「食物依存性運動誘発アナフィラキシー」は、特定の食物を食べてから運動をした時にだけアナフィラキシーが起こります。この場合は食べただけや運動しただけでは症状が出ないため、アナフィラキシーを起こして初めて食物アレルギーに気づくことがほとんどです。
同じ食物に対しても症状に個人差が大きく、加工品をほんの少し食べただけでもアナフィラキシーショックを起こす人もいれば、たくさん食べたときだけ症状を起こす人もいます。

アナフィラキシーの治療法

アナフィラキシーの症状が現れた場合、症状を抑える薬が必要です。速効性があり効果も高いアドレナリンの筋肉注射、ほかにじんましんや痒み、鼻水を抑えるための抗ヒスタミン薬(抗アレルギー薬)や、遅れて出る症状を予防するためのステロイド薬などの飲み薬をあわせて使用する場合もあります。また、アナフィラキシーの症状は一旦治まったように見えてから再び症状がでてくる可能性(二相性反応)もあるため注意が必要です。
過去にアナフィラキシーショックを起こしたことがある、もしくは、起こす危険性があると思われる場合は、緊急時にそなえてアドレナリン自己注射薬(エピペン®)を常に携帯しておきます。処方には専門の医師の診断が必要ですから、初めて症状が現れた場合には、速やかに医療機関を受診するようにしましょう。

アナフィラキシーの予防法・対処法

予防法としては、アナフィラキシーは即時型アレルギー症状のひとつです。症状を起こさないために原因となるものは食べない、接触しないことが必要です。自分や家族が、ある食物でアナフィラキシーを起こす可能性があるならば、薬を携帯するだけではなく「食物アレルギーがある」ということを周りの人に伝えることが大切です。周りの人はアナフィラキシーが起きないために、原因となる食物をその人から遠ざけたり、間違って食べたりしないように注意をしてあげましょう。
学校の給食などでは特に注意が必要です。本人、担任、栄養士だけではなく、教職員全員やクラスの同級生にも知ってもらうようにしてください。
小さいころアナフィラキシーを起こしたものでも、成長とともにアレルギー症状が出なくなる可能性が高いものもあります。しかし、一度アナフィラキシーを経験した場合は、専門の医療機関でしっかりと判断してもらうまで、再びアナフィラキシーにならないように原因となった食物をしばらく避けるようにしましょう。

日頃からしっかり対策していても、誤食などにより、食物アレルギーの患者さんには思わぬときにアナフィラキシーが起こることがあります。もしものときに、落ち着いてすばやい対処ができるよう、正しい知識でそなえましょう。

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