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今月の健康コラム

痛みがなくても受診を「外反母趾」

2022年8月8日

本来体の中心線に向かっている母趾(足の親指)が、外側に向かって曲がった状態を外反母趾といいます。痛みや腫れのほか、母趾で支えきれなくなった体重の負担によってタコができることがあります。変形を矯正する運動や器具の装着、手術などで治療を行います。放置すると変形が進むため、痛みがなくても医療機関を受診するようにしましょう。

外反母趾とは

 母趾(足の親指)が、第2趾(足の人差し指)に向かって曲がった状態を外反母趾と呼びます。母趾の付け根の関節が突き出て、痛みや腫れが生じます。

 付け根の関節に対して、趾の先がどれだけ内側に曲がっているかをもとに症状の度合いを判断します。20~30度で軽度、30~40度で中等度、40度以上で重度となります。

外反母趾の原因

 外反母趾には、靴による趾の圧迫が大きく関係しています。一般的に女性が発症しやすいといわれているのは、ハイヒールや先の細い靴を履くなど、圧迫を受ける機会が多いためです。

 また、生まれながらの足の構造によっても、靴の圧迫を受けやすくなることが分かっています。健常な足には、5本の趾の付け根を結ぶアーチ状の構造があります。偏平足などの場合は、アーチ構造が崩れて足の骨が扇状に広がることから、靴の圧迫を受けやすく、外反母趾になる可能性が高いとされています。

 そのほか、関節リウマチを発症している場合には、関節変形の症状によって、重度の外反母趾になることがあります。

外反母趾の症状

 外反母趾で重大な症状のひとつが痛みです。関節の周辺には、筋肉や骨が動いたときの衝撃を軽減する滑液包という部位があります。母趾の付け根の関節が突き出ることで、滑液包にストレスがかかって炎症が起き、痛みが生じます。足の甲の神経が圧迫されて痛みが生じることもあります。

 また外反母趾になると、足の裏にタコができることもあります。これは母趾が支えきれなくなった体重の負担が、他の部位にかかってしまうことが原因です。

外反母趾の治療法

 外反母趾の治療は保存療法と手術療法の2種類あります。

 保存療法ではまず、痛み止めや湿布で痛みを軽減させて、足の筋肉で指を開いたり、両足の母趾に輪ゴムを付けて足先を開いたりといった運動などを行います。そのほか、痛みを軽減するための装具やインソールなどを活用することがあります。

 保存療法で十分な効果がみられなかった場合には、手術療法を行います。母趾の付け根から関節までの骨を切り、変形を矯正する方法です。

 放置すれば、第2趾や第3趾の変形につながることもあります。痛みがなくてもかかりつけ医に相談するようにしましょう。

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