2025年4月7日
心臓を動かす電気信号の不具合により、心臓のなかでも心房と呼ばれる部屋の動きが、通常よりも早くなったり不規則になったりする病気です。これにより心臓が震えるような感覚や、胸に不快感が生じます。放置すると血栓ができ、脳梗塞などの重大な病気につながることもあるため、発症が疑われる場合は医療機関を受診しましょう。
心臓は筋肉でできた臓器で、収縮と拡張を繰り返しながら、全身に血液を送っています。4つの部屋に分かれており、そのうち頭側に位置する左右二つの部屋を心房といいます。心房細動は心臓を動かす電気信号に不具合が生じることで、心房の動きが不規則になった状態です。通常であれば1分間に60~100回ほど動くのに対し、心房細動では400~600回程度動くため、心臓が震えるような感覚があります。
心臓弁膜症や心筋症などの心臓にかかわる病気のほか、高血圧や糖尿病などの生活習慣病を発症している場合には、心房細動を引き起こす可能性が高まります。また、ストレスや喫煙なども発症につながります。
心房細動になると血栓が生じやすくなり、血栓が脳に運ばれると脳梗塞を発症する危険があります。1週間程度で症状がみられなくなることもありますが、放置は禁物です。
脈が乱れるような感覚や、胸に不快感が現れますが、症状が全く見られないこともあります。特に日ごろから心房細動が生じている場合は、症状が軽かったり、自覚症状がなかったりすることが多いです。心臓の機能が低下することで、息切れなどの症状が出てくることもあります。
心拍数を減らして自覚症状を和らげるレートコントロールと、心房細動自体を根治して脈をもとに戻すリズムコントロールがあります。レートコントロールでは、基本的に薬物治療を行います。
リズムコントロールでは薬物治療のほか、カテーテルアブレーションという治療法があります。細い管を心臓まで通し、心房細動を引き起こしている電気信号を断ち切るものです。体への負担が少なく、短期間で退院できます。ただし高齢の場合や症状が慢性化している場合には、治療が難しい可能性もあるため、治療方法はかかりつけ医や専門医に相談するようにしましょう。