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今月の健康コラム

汗の病気「多汗症」

2015年7月1日

「緊張するとたくさん汗が出る」「常に汗じみが気になって仕方ない」「大して暑い日でもないのに汗が止まらない」…こんな症状がある場合、もしかしたら「多汗症」という病気かもしれません。日常生活や社会生活に支障をきたすようであれば、かかりつけ医に相談してみましょう。

「多汗症」とは

「多汗症」は、異常な量の汗をかく病気です。
人間の体は、体温を調節するため、または精神的な緊張やストレスが原因で汗をかきますが、多汗症はこのどちらの場合でも通常考えられないほどの量の汗をかき、それによって日常生活や社会生活に支障をきたしてしまう病気です。

■ 多汗症の種類

原因や発汗する部位でいくつかの種類に分けることができます。

● 原因別

  • 原発性多汗症 … はっきりとした原因がわからないもの
  • 続発性多汗症 … 感染症、内分泌代謝異常、神経疾患など、別の病気や外傷、腫瘍などの神経障害が原因で多汗症が起きているもの。病気やその原因を取り除くことで治療することができる

● 部位別

  • 全身性多汗症 … 全身の汗が増加する
  • 局所性多汗症 … 汗腺が密集している特定の部位の汗が増加する。部位別に下記のように分けられる
    ・ 手掌多汗症(しゅしょうたかんしょう) … 手のひらの汗が増加する
    ・ 足蹠多汗症(そくせきたかんしょう) … 足の裏の汗が増加する
    ・ 腋窩多汗症(えきかたかんしょう) … 脇の下の汗が増加する
     ※このほか、顔面、頭部などに症状が見られることもある。

「原発性局所多汗症」について

「原発性局所多汗症」は、多汗症のなかでも、厚生労働省の難治性疾患克服研究事業の研究奨励分野に指定されている病気です。
幼少期または思春期に発症し、手のひらや足の裏、脇の下などに多量の汗をかきます。その原因ははっきりとわかっていませんが、主に精神的な緊張やストレスが原因で汗をかく「精神性発汗」が、何らかの原因で過剰におこっているものと考えられています。

● 原発性局所多汗症の症状(一部)

  • 緊張すると異常な量の汗が出る
  • 汗が出ていることを意識すると、余計に汗が出る
  • 文字を書こうとすると紙が濡れてしまうほど手から汗が出る(手掌多汗症)
  • 握手をすると人に不快感を与えるのではと不安になる(手掌多汗症)
  • 下着やシャツに染みができるほど汗が出る(腋窩多汗症)
  • 汗の匂いや汗じみができているかもと、周囲が気になって、勉強や仕事に集中できない(腋窩多汗症)

原発性局所多汗症は、耐えられないような痛みがあったり、命に関わるような重大な病気ではありません。しかし、原発性局所多汗症が原因で、うつ病などの精神的疾患を併発したり、日常生活・社会生活に支障をきたすこともあります。上記のような症状があれば、一度かかりつけ医や専門の医療機関に相談してみましょう。

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